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<<   作成日時 : 2009/05/11 07:12   >>

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ホンダが造り出した初めての上級サルーンというべきレジェンド。2.0Lと2.5L級のV6エンジンを搭載した前輪駆動車。

ホンダが初めて生産した上級車

 歴史は振り返ってみるといろいろなことが分かってくる。ホンダというブランドはいくつかのターニング・ポイントを経験してきたが、その一つを象徴するモデルというべきが、ホンダ・レジェンドではあるまいか。

 ホンダのフラッグシップを目指して、1980年代中盤に登場した。文字通りホンダに新しいレジェンド(伝説)をつくりだそうという意欲のもとに送り出されたモデルである。1960年代にホンダ・スポーツという小型スポーツカーで四輪自動車生産に乗りだしたホンダが、「軽」自動車で一世を風靡し、シビックでエコをうたった小型車に転身してみせた。そのホンダが初めて生産する上級車。レジェンドはホンダ自身のみならず、当時の国産上級車にも少なからぬインパクトを与えたのだった。

 ハードウエアから説明していこう。その当時はシビックに代表されるような2ボックス・ボディが中心で、その派生モデルとしての3ボックスは存在したものの、初めてといっていい大きなラゲッジ・ルームを持つコンベンショナルな乗用車フォルムだった。レジェンドの登場は、むしろ普通であることが話題になるという、いかにも当時のホンダを思い起こさせたのだった。ホイールベース2760mmは、アコードのそれよりも380mmも長く、全長×全幅も4810×1735mmとそれまでのホンダ車にはない雄大さであった。


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ホイールベース2760mm、全長4.8メートル級の堂々たるフォルムの持ち主。静粛、安定した走りが印象的であった。

欧州車の高級感を備えたクルマ

 エンジンはV6が新調され、排気量2.5Lとともに国内用として2.0Lが用意された。ブロックを含むアルミ合金製、それぞれ165PSと145PSとを発揮するもので、各バンク1本ずつのカムシャフトで気筒あたり4バルブを駆動するという、ホンダらしいメカニズムの持ち主。全体をコンパクトに設計し、例えばパワー・ステアリングのポンプなども両バンクの間におくという工夫を凝らしたが、さすがに90度のバンク角を持つV6エンジンをフロントに横置き搭載するには、相応のボンネットを必要とした。まあ、雄大な上級乗用車故に、デメリットというものではないが、それまでのホンダ車のショート・ノーズのイメージはない。

 足周りはフロントにダブル・ウィッシュボーン+コイル、リアにはストラットを基本にロワアーム+コイル・スプリングというこれまた新開発のものを採用。四輪ともディスクのブレーキ、アンチロック・システムを選べるといったことが特筆される時代であった。

 時代といえば、インテリアとその走り振りについては、大いにホンダらしさを感じたものである。それまでの国産上級車といえば、きらびやかに装飾された、それこそ神社仏閣的な豪華さをもって「高級」と認識させるようなところがあり、シートを含め乗り心地もソフト一辺倒であった。レジェンドのそれは、それとは全く一線を画しており、欧州車に近いテイストで仕上げられていた。つまり、インテリアは十分な装備品を備えつつも、オーバー・デコレーションを廃し、全体的にすっきりとした印象。上級モデルでもウール・モケット張り(ただし100%ウールであった)のシート、逆に全モデルにエア・コンディショナーが標準で装備された。

フロントに横置き搭載されたV6エンジン。オール・アルミでSOHCながら、1気筒あたり4バルブを実現している。

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レジェンドのインテリアは当時の国産上級サルーンのきらびやかさはないものの、必要十分な装備を備えたものだった。


レジェンドを機にホンダは変わっていった
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 走りはもっとも感銘を受ける部分であった。骨のある硬さと言ったらいいのか、きっちりと高性能を発揮できる印象。ひと口で言えば欧州の上級サルーンに匹敵、それでいて、それらよりはるかに低い騒音レベルは感動ものであった。なるほど、ホンダは普通ではない、そう感じさせるポイントのような気がしたものだ。

 そうは言いつつも、このレジェンドでホンダは尖った個性を売り物にする「マニアック」なクルマ造りから、メジャーなブランドを目指す方向に転換した、そんな印象をも受けたのであった。

 実は、このレジェンドは英国ローバー社との共同開発車として造られた。フロアパン、一部モデルのエンジン(ローバーには4気筒モデルも存在した)などを共用したのだが、開発の主導権はホンダが持った。欧州車のテイストというのは、それ故の産物のように思うかもしれないが、ホンダ自身がそういう志向を持っていたからこそ実現した。そして、このレジェンドを機にホンダは変わっていったように思える。



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